三井物産は、インドネシアのブラン島養豚場で発生するメタンガスの回収事業に出資し、二酸化炭素(CO2)の排出権を取得する。京都議定書で定めたクリーン開発メカニズム(CDM)を活用したもので、近く国連に申請する。
養豚場から空気中に放出されたメタンガスを回収した上で、閉鎖式糞尿浄化処理施設を導入し、燃焼させる仕組み。CO2換算で2012年までの7年間に合計120万トンの排出権が見込まれる。
CDMは、先進国が温暖化ガス削減目標を達成する手法のひとつで、途上国で温暖化ガス削減の技術を供与したり資金を提供した見返りに排出権を受け取り、その排出権を先進国の削減分にカウントできる仕組み。
三井物産は排出権の仲介だけでなく、プロジェクト発掘に力を入れている。
今回のプロジェクトでは、8月にインドネシアの養豚会社インドティルタスアカと合弁会社「アグログリーンアジア」を設立し、メタンガスの回収、焼却施設の運営、温暖化ガス削減のモニタリングなどの運営ノウハウを習得する。新会社の資本金は約3億円で、折半出資する。
排出権取得後は、02年に資本参加した排出権売買の「シーオーツーイー・ドットコム」(CO2e.com、本社・ロンドン)などを通じて日本の鉄鋼メーカーや電力会社向けに仲介する。
日本は京都議定書で、温室効果ガスを1990年比6%(08〜12年の平均で)削減することが義務付けられているが、景気回復などで削減量が増え、達成が危ぶまれている。
そこで、日本政府も近く排出権の買い取りに乗り出す計画で、三井物産は日本政府向けにも仲介する。
また同社は、日本向けの排出権の仲介が今後も増えるとみて、CO2e.comの日本法人も年内にも設立する計画だ。